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イソップ寓話 アリとセミ

冬の一日、アリは夏の間に溜めこんだ穀物を穴倉から引っ張り出して、
乾かしていた。
腹をすかせたセミが来て、露命をつなぐ為、
自分にも食物を少し恵んでくれ、と頼み込んだ。

「夏の間一体何をしていたのかね」と尋ねると、
「怠けていたわけではない、忙しく歌っておりました」とセミは答える。

アリは笑って、小麦をしまいこみながらこう言った。
「夏に笛を吹いていたのなら、冬には踊るがいい」

【勤勉なアリを選ぶか、人生を楽しむセミを選ぶか】

この話の一般的な教訓は「余裕のあるときに将来に備えよ。
さもないと苦痛や危機にあう」と言う事だ。
アリは計画的かつ勤勉で真面目な存在、
セミは無計画でその場しのぎの遊興にふける愚かな存在と読み取れる。

しかし、
この話から逆の教訓を読み取ると事も可能だ。
アリはひたすら忙しそうに働き、
自分だけが豊かになろうとする自己中心的な存在で、
将来を憂いて今をないがしろにするという悪い例でもある。

反面、セミは、芸術を愛し、活きる事自体を楽しむ存在と言う良い例である。
何が良くて、何が悪いかは、文化や時代状況によって異なってくる。

・「貯蓄は美徳である」と考える文化圏はアリを支持するし、
・「人生は楽しんでなんぼ」と考える文化圏ではセミを支持する。
・「貧しい時代に生きる人は」アリを支持するし、
・「豊かな時代に生きる人は」セミを支持する。

最後に一言、
アリとセミが一つの経済圏を形成していたと考えた場合、
アリは、セミの歌を聴いていた事に対価を支払う必要もある。
アーティストのLIVEと考えたらどうなのか?

へ理屈にも聞こえるが経済とはそういうものではないだろうか?
どちらか一方のみの利益はありえない。

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