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座右の寓話「ひばりの引っ越し

春先になってひばりが麦畑に巣を作った。
初夏のある日の事、大勢の村人たちが麦畑にやってきて、
「そろそろ、みんなで麦を刈らなきゃいかんなあ」と話していた。
これを耳にしたひばりの子供が、
「お母さん、麦刈りが始まるから、引っ越しをしようよ」と言った。
しかし、ひばりのお母さんは「まだ、大丈夫よ」と答えて平然としていた。

数日たってから、
三人の村人が麦畑にやってきて「ぼちぼち、麦を刈らなきゃいかんな」
と話していた。
これを耳にしたひばりの子供は、
「お母さんもうダメだよ!麦刈りが始まってしまうよ」と叫んだ。
しかし、ひばりのお母さんは「まだ、大丈夫よ」ととり合わなかった。

さらに数日後、
今度は村人が一人だけやってきて「じゃ、ぼちぼちやるか」とつぶやいた。
そこではじめて、ひばりのお母さんは子供に言った。
「さあ、逃げましょう」

【「自分ひとりでもやる」が現場を動かす】

この寓話は「トヨタの上司」という本に書いてあった。
トヨタ高岡工場で働いていた社員が昔の職場の上司から聞いた「たとえ話」
として紹介されている。

その上司が言いたかったことは、次のとおりである。

工場内の掃除を「みんなでやらなきゃいかん」と声をかけているうちは、
誰一人として動かないものだ。
そういう段階では、まだ現場は本気になっていない。
「自分ひとりでもやる」
そう言ってほうきを持ちだしてくるメンバーが出てきたとき、
現場は本気で掃除をやる気になり始めている。
職場のリーダーはそこをしっかり見極めなければならない。

この話の教訓はこういうことだ。
「みんなでやろうう」という掛け声はあてにならない。
「他の人はともかくとして、自分ひとりでもやる」そういう気持ちが誰かから 出てきたときにこそ、現場は動きはじめる。

これに関連して、
多重チェックは逆にミスを増やしかねないという話。
重大事故につながりかねない仕事では、
ダブルチェックやトリプルチェックがなされるのが普通である。
しかし逆に、
こういう多重チェックみよって安全性が低くなることもある。

一人ではなく二人、
あるいは三人でチェックする事によって責任が軽くなる気がして、
「他の人が確認しているのだからきっと大丈夫だろう。
自分が一生懸命確認する必要はない」と考えるからだ。

そう、まさにこの話は今、職場でも通ずるところがある。

お客様からクレームがあり、
流出対策として、「ダブルチェック」、でも一向に改善されない。
「他の人が確認しているのだからきっと大丈夫だろう」が逆効果になっている事例だ。
一人に責任を持たせることも時には必要!




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